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しかし、まさかこうなるとはな・・・。 クライン国の広場のベンチで、キール・セリアンはため息をついた。 眩しい直射日光を避けたところにあるそれに腰掛けて、周りの風景をぼーと眺める。 今ごろは外ではなく書物に囲まれて過ごしているはずだったのだが、 「たまには日光浴びないとカビ生えて腐るよ」 と言うおせっかいな同居人がここまで連れて来たのだ。その言い出した本人、メイは隣りで寝息をたてている。 自分が息抜きをしたいために俺を巻き込んだなと思いながらも、最近引越しだ、挙式だと忙しかったのは本当なので叩き起こすのは止めた。 それにしても・・・・・・・・・・・・・・・・・・暇だ。 本も持って来なかったし、話相手になりそうな奴も寝ているとなると、辺りを眺めるしかすることはない。 目の前の人々は子供連れも多く、陽気も穏やかな中を楽しそうに通り過ぎて行く。 家族・・・ふと隣りのメイの手を取り、そこにある指輪を確かめる。 細くてちっぽけな金属の破片。こんなものでこいつを縛り付けて良いのか。後で「止めとけば良かった」なんて言うんじゃないか。石頭で鈍感で意地悪で(・・・とメイ本人によく言われていた)ちっとも優しくない人間といっしょになったって幸せになれないぞ。
「でも、キール・・・」
安堵した途端、次の寝言が飛び出す。
そのうちメイの実力もついてきて、そんなやりとりもなくなっていったが。
「ばか、夢の中でまで謝るな」
俺の価値って枕並なのか。
「・・・『もう飽きた』って言っても離婚しないからな」
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