LIMIT OVER

紅石智之様

ライン

暑さも限界。
体も限界。
そして、心も限界。
さて、先に限界を超えるのはどっちだ!?


「あっつぅぅー」
ここはクライン王国、魔法研究所の一室。そこはなんだか、即席であつらえた部屋のようです。その部屋の主、メイ=フジワラは微かに眉間にしわを作りながらベットの上で呻いています。
「なんでこんなにあっついのぉー」
メイは我慢限界だと言わんばかりに勢い良く立ち上がると、窓辺に寄り唯一の窓を勢い良く開けました。
が。
「風がちっとも入らないじゃないのー!!」
喚くメイにはちっとも意地悪なぐらい風はやってきません。代わりに暑苦しいばかりの日差しがメイの顔をを照らします。
「もう、我慢出来ないっ!」
そう外に向かって再び叫ぶと、メイは窓を開けたまま身を翻し、部屋を出て行ってしまいました。


「きぃぃるぅぅ!!!」
 彼女は大声と同時に部屋の扉を開けました。そのドアには「キール=セリアン」と書かれています。そして、部屋の主は書棚で本を手にしていた状態のままメイへと振り返るなり、うんざりとした顔で見つめました。
「なんだ、お前か。よっぽど、ヒマなんだな」
「あんた、よくそんなこと言えるわね!!ちょっと、私の部屋めちゃくちゃ暑いんだって!どうにかしよ!」
「どうにかと言っても、あそこは元倉庫だしな」
 あっさりと言う部屋の主、キールにメイは声を荒げます。
「倉庫ぉぉ!?」
「ああ。空いてる部屋が無かったからな。倉庫を改造して…」
 と言いつつ、キールがメイを見るとメイは顔を俯かせ、肩を揺らしています。
「…?メイ…?」
 メイの様子を不審に思ったのか、キールがそっとメイの肩に手を置こうとした瞬間、
「もういいっ!!」
 そう言うなり、メイは身を翻し部屋を出ていってしまいました。
「……なんなんだよ、一体…」
 肩に置こうとした手を固まらせたまま、キールはメイの去っていた後を見つめつつ呟きました。


「もう、何考えているのよ、あいつは!!」
 メイは目を据わらせ、物凄い剣幕で部屋へと戻ると、徐に上着を脱ぎ始めました。
「暑いんなら、脱ぐしかないじゃないっ」
 そう吐き捨てるように言うと、メイはタンスから黒色の半ズボンとキャミソールを取り出し、着替え始めます。制服をハンガーに掛けて、脱いだブラウスなども洗濯物用のカゴに入れて一段落ついたメイはベットに腰掛けました。
「あっつー。でもまだマシよね…」
 そう呟いた瞬間。
 突然、ノックもせずにキールが中へと入って来たのです。
「メイ。さっきは…」
 突然どうしたんだ?と言おうとしたキールの視線とメイの視線がぶつかります。二人とも口を大きく開けたまま静止すること1分。
 先に口を開いたのは、メイの方でした。
「あ、あんた…」
 指さすメイをキールは頭の先から足の先まで目だけを動かして見つめました。
 意外に胸が大きいなとか、足が細いなとか、肌が白いなとか、そんな男の子の妄想をすぐにメイは感じ取り、叫びました。
「なに、人の部屋入ってきてんのよ!」
 メイの叫び声で我に返ったキールは、一瞬だけ目を大きく見開くと顔を真っ赤に染めて俯きました。
「……」
「キールっ」
「…お前が暑い暑いと喚くから、服でも買ってやろうと思って…」
 小さく呟くキールの言葉にメイは目を点にさせました。
「えっ?」
「…いや、いい。勝手に入って済まなかったな」
 キールはメイにやっと聞こえるような小さな声でそう言うなり、部屋を出ていってしまいました。
 思わずメイも追いかけます。
「待って、キール!」


「…ったく、俺も何を考えているんだ」
 メイの部屋からの帰り道、人気のない廊下でキールは頭を掻きながら呟きました。このところ毎日やってくるメイはいつも「暑い」と喚いていたので、服でも買ってやろうとキールは思ったのです。
 買ってやろう……そうじゃなくて、買ってあげたいとキールは思っていたのです。きっとクラインの服を着れば似合うだろうなとか、喜んでくれるかな?とかつい、想像してしまっていたようです。
「キールっ!!」
 背後からの大きな呼び声にキールは足を止めると、背後に振り返りました。そして大きく目を見開きまいた。
「メイ!?」
 メイは部屋での服装、キャミソールに半ズボンという出で立ちでキールに駆け寄ります。
「キ、キール…」
「……」
 肩で息を整えたメイはキールの瞳を見つめます。
「さっき、服…買ってくれるって…本当?」
「…ああ。お前が良ければという話だけどな」
「いいの?」
「…嫌ならいいが?」
「いるっ!」
 問いかけるキールにメイは力強く言い放つと、キールの右腕に自分の腕を絡ませます。
「メイ!?」
「早く行こう!キール!」
 満面の笑みを浮かべるメイにキールは苦笑すると、不意に空いている左腕でメイを覆うように抱きしめます。
「キール!?」
「…その格好、俺の前以外でするなよ…?」
 耳で囁くキールの声にメイは少し顔を赤らめながら小さく頷きました。
 そして、キールはメイを抱きしめていた腕を腰へと落とすと、ゆっくりと歩き始めました。
「行くか」
「…うんっ」
 元気に頷くメイにキールは目を眩しそうに細めると、メイを廊下の壁にもたれさせます。
「キール…?」
 不思議がるメイにキールは笑みを浮かべると、首元に唇を当てました。
「んっ」
 メイの腕がキールの背中に回ります。そして、キールは唇を離すと緋色の肩掛けをメイの首に掛けました。
 目を潤ませるメイをキールは優しく抱きしめます。

(もう、限界だな…。こいつは俺のものだ)

 そう気持ちを込めて。
 限界はもう、超えているのかも。
 愛してるという「限界」に終わりはないのかもしれない。



    あとがき
    りあ様。
    すいません〜。オチしょぼすぎです〜。
    しかも表なのに、裏かも〜(号泣)。
    ごめんなさい〜(泣き逃げ)。

    管理人
    大丈夫!問題ないっす!!
    あ・・・・・・・泣きながら去っていった。(笑)

ライン

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