好きな人とは、いつでも一緒にいたいの。
「キール♪」
廊下の向こうから自分を見つけた少女が走り寄ってくる。
「もう仕事終わったの?」
「ああ、終わったが……お前こそどうしたんだ?今日は課題を出しておいたはずだろ?」
「ん〜、それがさぁ……ディアーナにお茶に誘われちゃって」
あははは〜、と笑うメイにキールは頭を抱える。
「……お〜ま〜え〜なぁ……。わかってるのか?自分の置かれた状況!」
「わ、わかってるわよ……、でも、ほら、たまには息抜きも必要だしねっ♪」
「たまにじゃないだろっ!」
頭上から、怒鳴り声が振ってくる。
メイはひゃっと首をすくめるが、その瞳は何故か笑っていた。
「全く……、ほら、帰るぞ」
うんっ、と頷くメイの顔が笑っていたのを、キールは知らない。
ディアーナにお茶に誘われたというのは口実で、本当はメイが急に王宮に行かないといけなくなったというキールを追いかけてここまできたことも。
「帰ったら、課題をするんだぞ」
「教えてくれる?」
「何言ってるんだ」
呆れたような、キールの声にも、どこか嬉しそうな響きがあって。
やっぱりメイは嬉しくなる。
まだ思いを伝えてはいないけれど、でも、あなたが好きです。
好きな人とは一緒にいたいから。
だから、私のわがままを許してくれますか?
|